「冬のソナタ」から始まって様々なドラマが日本でも放映されています。
その中でも宮中の女官の姿を描いた「チャングムの誓い」はいいですね〜、時間のあるときはいつも見ています。
ところで、宮中の女官の間で使われていた女房詞(にょうぼうことば)というのを
ご存知でいらっしゃいますか?
湯文字、お目文字、す文字、そ文字、杓文字・・・などなどが挙げられます。
浴衣を湯文字、お寿司をす文字、杓子を杓文字、そなたをそ文字、
お目にかかることをお目文字と言ったのです。
女房詞の中でも、杓文字は今でも使う言葉として残っていますよね。
前に書いた記事の中に、おたまじゃくしの由来が御多賀杓子にあるという話がありましたが、
そういえば、御多賀杓子・・・杓子なんですよね(笑)杓文字とは言っていないわけです。
そこでちょっと驚きなんですが、ひもじいという言葉も同じDNAを持っているんです。
飽食の時代といわれる昨今ではあまり使われなくなった言葉ですが、お腹が空いてたまらない、
食べるものがないことを「ひだるい」と表現していました。
この「ひだるい」が「ひ文字」になり、「ひもじい」に変化していったと云われています。
江戸時代以前、農民や町民はお腹が空いて「ひだるい、ひだるい」と言っていたのでしょうね。
でも、武士階級になるとどんなにひだるくても、そのような言葉を発するのはご法度だったわけです。
正に「武士は食わねど高楊枝」なわけです・・・。
ろくに何も食べていないのに楊枝を使って食べたようなふりをする。
空腹を人に悟られまいとする気位の高いことを表現するときに使います。
武士の身内の女性達が集まれば、やはり愚痴のひとつも出るものです。
「お腹空いたわねぇ」・・・近所の井戸端会議の中で、ひだるいの隠語として
「ひもじ」が使われ出したと云われています。
言葉は時代を映し、時と共に変わっていくものなんですね。
◇ しゃもじとは女房詞のひとつでした。女房詞の意味をその他多数、ご紹介しています。
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