素人は「シロヒト」の音便(おんびん)です。
その昔、古舘伊知郎が夜のヒットスタジオの司会をしていた頃の話ですが、
松山千春が出演していて、「俺の歌はよお、ちょっと素人離れしているけどな・・・」と、
洒落たオトボケで、いわゆる千春節が炸裂していたのを思い出します。
以前の記事でも、どさ回りは佐渡の倒語であることをご紹介しましたが、
この「素人」にも倒語は存在します(笑)
素人(しろうと)をひっくり返して擬人名化した隠語です。
京阪地方の方言では、この藤四郎、盗み心のある人のことを指します。
さしずめ、京阪方面ではルパン三世は藤四郎なわけですね(笑)
看破、ルパンか!・・・かんぱ、ルパンか(笑)
とうしろうの域を超えた、玄人肌の回文が出来上がりました。
この記事の冒頭でも触れましたが、「音便」というのは何のことなのでしょうか。
音便というのは国語学の用語で、発音上の便宜から、元の音とは違った音で発音することをいいます。
「咲きて」が「咲いて」、「早く」が「早う」、「飛びて」が「飛んで」、「知りて」が「知って」になる類です。
イ音便、ウ音便、撥音便、促音便の4種類があります。
シロヒトのウ音便がシロウトということですね。
確かにシロウトの方が発音しやすいのに気付きます。
以前に言葉の転訛の話をしましたが、言葉というものは、より使い勝手のいい
便利な方へと、時代の流れと共に変化していくわけですね。
まるで「金田一先生」のようですね。笑。