結婚に際しては、夏目漱石もご苦労があったんですね。
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実際、夏目漱石の顔にはたくさんの痘痕あばたがあったと云われています。
後に漱石夫人となる、鏡子お嬢様とのお見合いが決まるや、漱石は写真館に写真の修整を注文した
そうです(笑)。その甲斐あって、丹念に漱石のあばたは消され、見事にお見合いは成功♪
もっとも、当時のお見合いでは、女性は床から相手の膝の高さまでしか視線を上げてはいけないという
不文律があったそうです。あばたもえくぼ、というわけではなかったようですね(笑)
さてさて、このブログは言葉のブログです。
今回は漱石にもあったという「あばた」に着目してみました。
「痘痕あばた」は痘瘡の治癒後に残る痕(あと)で、それに似たものも総じてあばたと言います。
あばたは梵語の
arbuda あぶだ の転訛した形が「あばた」というわけですね。
もちろん、夏目漱石が八寒地獄に落ちたわけではありません。
痘瘡というのは法定伝染病のひとつで、高熱を発し、悪寒・頭痛・腰痛を伴い、解熱後、主として顔面に
英語では、small poxと表現されます。
妻夫木くんの出演している「あなたも私もポッキー〜♪」のCMでも、お見合いのシーンがありますが、
八寒地獄(はちかんじごく)の第一に「あぶだ」というのがあって、ここに落ちる者は厳寒のため身体が
ただれて、あばたを生じると云われています・・・。
発疹を生じ、永久に痘痕(あばた)を残す病気だったのです。
明治時代には、あんな光景はとても考えられなかったのでしょうね。