丹前の語源を解説致します。
夏に着るのが浴衣なら、冬に着るのは丹前ですよね。

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金田一 春彦

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丹前(たんぜん)・・・私どもの旅館でも、冬になれば客室に置かせて頂いています。

厚く綿を入れた広袖風のもので、江戸に始まり京阪に流行した着物です。
主としてこの丹前というのは京阪地方の呼称で、江戸方面ではどてらと呼んでいるところも
多いようです。

さて、この丹前の語源はどこにあるのでしょうか?
その前に「丹前風呂」のお話をしなければなりません・・・。

江戸時代初期に神田にあった銭湯のことを丹前風呂と呼んでいたのですが、そのルーツは
堀丹後守の屋敷前にあった風呂屋だったことに由来します・・・。

「丹」後守の屋敷「前」ということですね。なるほど、丹前です(笑)

その丹前風呂には、勝山(かつやま)という美貌の湯女(ゆな)がいたそうです。
勝山のお陰で丹前風呂は大いに繁盛したそうですが、彼女は何事につけても華美なことを好んだ
そうです。そこで、人々は華美な身なりのことを「丹前風」と呼ぶようになりました。

どこか粋な伊達姿のことを丹前姿たんぜんすがたと言いますが、
このいでたちは江戸時代初期に流行したようです。
広袖に豊かな雰囲気が醸し出されるのでしょうか・・・

時代を経て、今に「丹前」という言葉が残されたというわけです。

昔の上流貴族が入浴するときに着ていた湯帷子(ゆかたびら)という着衣が浴衣のルーツだと
いうお話を以前にさせて頂きましたが、丹前の由来にも日本の歴史が垣間見えたような気が
致します。

寒い冬には丹前の温かさが身にしみます・・・。
ロハスやウォームビズが流行っている昨今ですが、丹前も一役買えそうですね(笑)

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