最近、ロングテールという言葉をよく耳にするようになりました。
一部の売れ筋商品よりも、蛇のように長く伸びた尻尾の部分から効率よく収益を上げる事業モデルが発見されたことで、マーケティングの常識が覆されようとしています。
正にロングテールの申し子です。
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ロングテールの意味は、文字通り長い尻尾ということなのですが、もう少し詳しくご説明させて頂きます。
ロングテールをイメージするために、縦軸と横軸から成る座標軸を思い出してみて下さい。
横軸には本の題名が並びます。売れた本が左から順に並びます。つまり、一番左にベストセラー、最も売れた本が列記されます。右へいくほどあまり売れなかった本ということになります。
一方の縦軸には、売上高が棒グラフの伸びによって分かるようになっています。
左から右へいくほど売上高は落ちるわけですから、一番左が一番高くなります。ここで注目しなければならないのが、決してなだらかな曲線を描きながら落ちていくのではなく、急にある所で落ちて、その後は延々地を這うような棒グラフが続いていく・・・ということなのです。
ロングテールとは、正しくこの地を這うように延々と続く売上高の極端に低い商品群のことを指します。恐竜に例えるならば、ベストセラーと称される本は恐竜の首部分で、ほとんど売れない、しかしながら少しは売れている本を恐竜の尻尾部分とイメージしているわけです。
アマゾンという会社は、見事にこのロングテールの部分に脚光を当てることに成功したのです。
アマゾンの総売上の57%を「売れ筋以外」の商品が占めているのだそうです。
今までは光の当たらなかった本が売れているのです。ブログの登場によって、「おすすめの本」という形で情報がカスタマイズされて売られています。新しい商機をつかむことに成功したアマゾンはロングテールの代名詞でもあります。
このブログでも以前にご紹介しましたが、マーケティングの世界にはパレートの法則というのがあります。結果(売上)の8割は、主要な2割に起因する・・・というものです。パレートの法則はマーケティングの定石とされていましたが、今のインターネットの世界はその常識を見事に覆したというわけです。
ロングテールと呼ばれる尻尾の部分に大きな注目が集まっています。
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