村八分の語源は江戸時代に遡ります。
江戸時代以降、村の掟を破った村民との交際を絶つという習慣がありました。
全村が申し合わせにより、その家との交際をストップさせる私的制裁だったのです。
現在では単に、仲間はずれという意味で使われている言葉ですが、実に歴史のある言葉だったんですね。
村には十の交際があり、その内の八つは援助も見舞いもしないという取り決めでした。
十の交際とは、冠・婚・葬・建築・火事・病気・水害・旅行・出産・年忌のことを指していました。
この内の葬式と火事を除いては一切関わらないというものでした。
いくら制裁を加えるとはいっても、さすがに葬式と火事だけは免除されたようですね。
グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501) 佐々木 俊尚 by G-Tools |
村八分という言葉で思い出すのですが、昨今のIT業界でグーグル八分なる言葉がよく聞かれるようになりました。
ウェブ2.0の潮流の先頭を切って走る企業がグーグルです。
検索エンジンの台頭により、ヤフーや楽天を代表とするポータルサイトの立場が危うくなってきています。ネットの世界でグーグルは司祭とも呼ばれ、その権力を増大させています。そのグーグルの検索エンジンからはじかれてしまう・・・なんてことが幾つかの企業で起こっているようです。グーグルの掲げる規約に違反したという理由で消されてしまうわけですが、これは企業にとって大きな痛手です。
グーグル八分の名にふさわしい制裁となっているわけです。
グーグルの検索エンジンから消えるということは、その企業が実在しないと同じぐらいの衝撃があります。情報化社会の中にあってグーグルの存在は群を抜いているのです。完全に消されてしまうということは、グーグル八分どころか、さしずめグーグル十分といったところでしょうか。
江戸時代の村八分でも、葬式と火事だけはお付き合いがあったのです。
フリージャーナリストの佐々木俊尚氏も、グーグル Google 既存のビジネスを破壊するで触れておられますが、もう少し寛容な姿勢が望まれるところでしょうか。
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