びた一文も無いとは、極めてわずかなお金も無いという意味ですよね。
びた一文の「びた」にはどんな意味があるのでしょうか?
ひたすら悪い銭、という意味なのです。
びた銭・・・「びたせん」と読みますが、
これは表面の字が磨り減った粗悪な銭のことを意味します。
室町時代、我が国は明の国の通貨にならって銭を鋳造していましたが、
これがひどく粗悪だったようです。
これら永楽銭以外の質の悪い銅銭のことを、びた銭といいました。
びた一文とは、ひたすら悪い銭という意味です。
ひたすらを略して「ひた」とし、それ以上に悪いものなので、「ひた」を濁音にして「びた」としました。
テレビの銭形平次が投げていた銭は一文銭です。
悪党を追い詰めた後に繰り出される銭形平次の十八番でしたが、あの投げ銭こそ、
他でもないびた銭だったわけです。
このブログは言葉のコレクションですが、何かを集める趣味をお持ちの方も多いと思います。
ミニカーコレクション、日本刀コレクションなどが人気のようですが、
貨幣コレクションも通の間では盛り上がっているようです。
あなたの貨幣コレクションの中に、びた銭もひとつ加えてみてはいかがでしょうか(笑)