殿と書いて「しんがり」と読みます。
殿とは、最後尾にいて敵の追撃を防ぐ軍隊のことを意味します。
しんがりの語源はどこにあるのでしょうか。
戦国大名の争い―戦国時代 児玉 幸多 あおむら 純 by G-Tools |
殿(しんがり)という 日本語、面白いですよね。
音便変化にはイ音便、ウ音便、促音便、撥音便の4種類がありますが、
しりがり→しんがり なので撥音便ということになりますね。
戦国時代、陣列の最後尾を受け持つ殿隊(しんがりたい)には危険が常に付きまといました。
形勢が不利になって味方の大将を逃がすために、殿隊の負う役目は大変大きかったのです。
負け戦のときは本当に大変ですよね。
日本の自衛隊にも、しんがり部隊というのは存在するのでしょうか?
あくまでも自衛が目的ですから、戦国時代のしんがりのような発想はないかもしれませんね。
現代の企業社会を振り返ってみると、しんがりという言葉の重みを実感することができます。
会社の不祥事が発覚すると、秘書がやりました・・・私は知りません。
などとおっしゃる社長様が多いように見受けられます。
組織のトップは我先に逃げ去り、その尻拭いをさせられるのが秘書の役目?
マスコミという敵から自陣の大将を逃がし、戦国時代の殿隊のごとく損な役回りを演じます。
本当の殿様なら、自分の部下に罪をなすりつけるのではなく、最後まで頑張り通して頂きたいものです。
思いもかけない字と語源でした。