スクリムショウとは、鯨の歯で作られた彫刻品のことを意味します。
高価なスクリムショウをコレクションして楽しむという、セレブな趣味をお持ちの方もいらっしゃいます。
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アメリカはマサチューセッツ州の伝統工芸品として、スクリムショウは今に伝えられています。
言葉のブログを運営させて頂いている身として、やはりスクリムショウという名前が妙に気になりました。
スクリムショウという言葉は英語で、そのスペルは scrimshaw と綴ります。
英和辞書では、慰み細工という訳が掲載されていました。その昔、捕鯨船の乗組員たちが航海中の
慰みに鯨の歯や骨、せいうちの牙、貝などに彫刻した細工品のことです。
今の世の中では、捕鯨自体が禁止されているためスクリムショウは貴重です。
マッコウクジラの歯で作ったスクリムショウが、由緒正しいスクリムショウなのだそうです。
航海中の乗組員たちが、捕獲したマッコウクジラから今に伝わる伝統工芸品を作っていたなんて
素敵な話ですね。航海中に、そう何度も鯨が捕獲できるわけではありません。長い船旅の途中で
暇な時間帯を持て余していた船員達もたくさんいたんだろうなと思われます。
船の上で乗組員たちが作ったスクリムショウですが、作り方はこうです。
縫い針で絵を彫り、ランプの煤を刷り込み絵を浮かび上がらせて置物を作って時を過ごした・・・正に慰み細工ですね。
鯨に関わる言葉として、お葬式のときに掲げる鯨幕のお話を以前にしました。
黒と白のお馴染みのあの幕ですが、鯨の色に似ているところからネーミングされたんですよね。
スクリムショウはアメリカ、鯨幕は日本の言葉ですが、歴史的に見ても鯨は人との関わりが深かった
んだなと改めて気付かされます。
それにしても、スクリムショウをコレクションしている方ってどんな人なんでしょうね。
超レアな伝統工芸品だけに、そのお値段も半端なものではないと推測されます。
世界のセレブとスクリムショウは、どこかでつながっているのかもしれませんね。