重陽とは五節句のひとつで、9月9日のことを意味します。
季節の言葉として、重陽の意味を深く理解しておきたいものです。奇数を尊ぶ中国の思想が反映し、
重陽をはじめ、今の日本には5つの節句が残されています。
五節句とは七草の節句、桃の節句、端午の節句、七夕、菊の節句(重陽)のことです。

おりがみ自遊帖 五節句を折る―ひなまつり・端午の節句・七夕まつり・重陽の節句・お正月 (おりがみ自遊帖)おりがみ自遊帖 五節句を折る―ひなまつり・端午の節句・七夕まつり・重陽の節句・お正月 (おりがみ自遊帖)
小林 一夫

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中国では9という数字が重んじられる傾向にあります。
これは日本の風習とは異なりますね。日本では4や9という数字を忌み嫌う傾向にあります。
「数」という漢字そのものに、運命やさだめといった意味があります。
数奇な人生を送る・・・なんていうと、不幸せや不運な人生を送ることを意味しますが、
この場合の数奇の「数」は運命のことです。運命が”奇”なわけです。

テレビ番組の視聴率女王と呼ばれる細木数子さんですが、数子さんの「数」にもおそらくそのような
意味がこめられているのではないかなと思います。ごめんなさい、これはあくまでも私個人の推測で
あることを断っておきますが(笑)

ちょっと話は逸れましたが、数字というのはそれだけ意味深なものなのです。
中国で9という数字は、陽の極まる大変おめでたい象徴なわけです。
陽が重なって「重陽」というわけですね。
考え方によっては、日本でも、4と9を良くなる・・・49(よく)なる、とすれば吉に転じますよね。

重陽のころは秋の収穫の時期とも重なります。
収穫祭と9月9日の節句が結合して重陽の行事となった経緯があります。九州地方では、
重陽の日を九日(おくんち)と呼んで祝います。「長崎くんち」の祭りも同じような行事として
知られています。

重陽は菊の節句ということですが、重陽の宴といえば菊花酒が連想されます。
これは、古代中国の言い伝えにその端を発します。
9月9日に大災厄が起きるとき、高い山に登って菊花酒を飲めば災いは消えるというものです。

重陽という節句には、中国の影響が色濃く残されています。