なずな ナズナ ぺんぺん草 松尾芭蕉の有名な俳句をご案内致します。

よく見れば なずな花咲く 垣根かな

なずなとは、俗に言うぺんぺん草のことです。なぜ、ぺんぺん草というのか?ぺんぺん草の語源は三味線に由来します。

三味線の音を表現する言葉に「ぺんぺん」がありますよね。幼児語で三味線のことを「ぺんぺん」と言ったりもします。
写真を見ればよく分かるのですが、莢(さや)の形が三味線の撥(ばち)の形に似ています。三味線のバチを連想させる莢(さや)・・・そこから、なずなのことをぺんぺん草と呼ぶようになりました。

「ぺんぺん草が生える」ってよく言いますよね。

家などが荒れ果てている様子をいうのですが、あまり良い印象ではありません。
隅っこの方に咲くなずな・・・お世辞にも綺麗な花とは言えません。
しかしながら、咲くべきときが来れば、全力で咲こうとするその姿には感銘すら覚えます。

冒頭の芭蕉の句にも、そんなぺんぺん草の生命力への賛歌が見て取れます。

感動するということは、長い人生においてとても大切なことです。
日常のルーティンワークに埋没してしまって、ややもすれば感動する心を失いがちではないでしょうか。

ほんのささいなことにも感動する心・・・。

魂の振るえはいつまでも持ち続けていたいものですね。
三味線の音に魂を揺さぶられるが如く、道端の小さなぺんぺん草にも感動する心を大切に
したいですね。

松尾芭蕉の俳句から、ささやかなプレゼントを頂いたような気が致します。